特設ジェットカウンター                                      


パチンコ店が不正に儲ける仕掛けや手段はいくつもあるが、もっとも露骨なのがジェットカウンター(計数機)
でのごまかしだろう。玉やメダルを流し込むと、瞬時に数を数え、結果をレシート状の紙に印字して出す、
機械の不正である。計数機のごまかしは一部ファンの間で何とはなしに知られている。
ファンによっては5%ぐらい出玉のピンハネを覚悟しているというが、残念ながら正確な認識である。
一部の店は現実にパチンコの玉計数機、パチスロのメダル計数機を不正に操作し、客から詐取している。
神奈川県内のパチンコチェーン店で課長、その後パチスロ専門店・Lに移って5年間店長を経験したM氏が証言する。


「Lが新規開店して、店長を任されました。オープン当初は客の入りもよく、稼働率は順調でした。が、
一年半ほどで経営が苦しくなり、社長から、何かいい手はないかと聞かれたんです。
で、周辺機器メーカーの営業マンにそれとなく聞き、ウラの業者を紹介されました。
社長とも相談の上、メダル計数機のカット・システムを入れることにしました。
このシステムは一定の枚数を超えると、自動的に枚数をカットし、少なく表示するものです。
裏業者の説明によると、500枚以上から設定でき、3〜10%の間でカットの設定が出来るということでした。
業者のセールストークでは、カットした分を他の客に還元することも出来るし、裏金にも出来る」と


  
たとえ、店側の人間がメカに弱くても、店には裏業者が出入りしている。
彼らが店に知恵をつけ、アドバイスし、不正装置を取り付ける。店側は不正の経費を賄って、
十分のお釣りが来る構造がある。 M氏はメダル計数機の不正について、話を続ける。


「カット・システムを仕込むことは当然、従業員に知られるとまずい。だから閉店後、私と社長だけが残って、
業者2人を店内に入れ、工事させました。取り付け工事は約3時間で済んだ。
500枚以上からカット機能が働くようにし、カット率5%の設定にした。その日の集客数にもよりますが、
一日当たり5万〜10万円は抜けるカット率です。費用は計数機2台分、取り付け料込みで130万円。
このカット・システムはメダルだけでなく、パチンコ玉の計数機にもセットできるということでした。
パチンコでも、だいたい1発2.5円換算で4000発、1万円分を超えた場合の5%のカットが平均らしいです。」


 
L店の場合、客の持ち込みが500枚より多い場合、その分にのみカット機能が働く設定だった。
つまり客のメダルが900枚なら、500枚を超えた400枚について、その5%をカットする。
全体では900枚が880枚で表示される。微々たるピンハネと思われようが、
1日200万円分のメダルが出たとすれば、ざっくりいってその約5%、10万円が自動的に抜ける計算に
なるのだから、設置費用の130万円はわずか2週間で取り戻せる。

「パチンコ玉の計数機は、玉を流している最中に1秒間以上間を空けると、カット機能が働かないように
なっていて、うるさそうな客や怪しまれそうになった場合、使えるという話でした。」(前出のM氏)


                                 (『パチンコ30兆円の闇』 溝口敦著 小学館 より引用)


 『パチンコ30兆円の闇』によれば、全てのホールではないが、このカット・システムを導入している
ホールは少なくないらしい。実際、何千個ものパチンコ玉を数える客は皆無と言っても良いだろうから、
このシステムは非常に有効であり、それを見破るのは困難だと思われる。
また、パチンコ台に特殊な装置を付けることにより、パチンコの大当たり時の出玉数そのものをカットすることも
可能になるそうで、タダでさえ当たりが来ないのに、せっかく当たった出玉までカットされるのでは、
客にとっては踏んだり蹴ったりと言っても良いのではないだろうか。

















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